龍廣寺の紅葉もそろそろ終わり、冬の足音がすぐそこまで聞こえる時期になりました。
江戸時代の禅僧、良寛和尚さんのこんな句があります。
「うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ」
私たちの眼を楽しませてくれるもみじが、散り、風にふかれ、ヒラヒラと舞ってゆくその様。
晩年に良寛和尚さんが、自身の命に散りゆくもみじを重ねた句です。
泣いて、笑って、苦しんで、楽しくて、うれしくて、悲しくて、散ってゆく命。
風に舞うもみじのように決して思い通りにならない人生。
でも、たくさんの人がその美しさに惹きこまれ
散ってさえも、石畳を彩るもみじの赤に、おもわず眼を落す。
数百年たってなお、良寛和尚さんの言葉が、私たちを惹きつけるのはなぜか。
私たちの中にも、たとへその人がもういなくとも忘れられない言葉や想いがあるのではないでしょうか?
