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『それをお金で買いますか?』

数年前にブームになった『これからの正義の話をしよう』の著者マイケル・サンデルが執筆された本です。

この書籍の中では、市場経済の価値観が人の「出産・育児・教育・健康・環境問題」などに流入してくると、道徳や善の腐敗、さらには差別に繋がってゆくことが、様々な事例から述べられています。

ほんの一例ですを紹介します。結婚式のスピーチ代行サービスことです。

新郎が親友にお願いし結婚式のスピーチをしてもらった。その話の素晴しさに式中も涙が流れた。しかし、後から親友がそのスピーチを代行サービスに一万五千円ほどで作成してもらったものだったと知ったらどうか?

ほとんどの人がその事実を知る前よりもスピーチの価値は落ちたと感じる。本物のスピーチには及ばないと思ってしまう。金銭で価格を決めて、友情の一部をお金で買った結果です。

マイケル・サンデルこういった事を、道徳心や善の堕落と言います。

日本でも身近なところでは、「友人代行」「行列代行」「宿題代行」などここ数年の間に様々なサービスができました。当然悪いことばかりではありませんが、欠点も知らねばなりません。

仏教ではよく「欲」と説きます。しかし、マイケル・サンデルは「欲」ではない、「市場経済の価値観」人の生活の根幹部分に入ってきたせいだと言うのです。私見ですが、「安さ、便利さ、手軽さ」などの市場の価値観により価格をつけて生活することが当たり前になりすぎ、それが加速してゆくなかで、それ以外の価値観で物事を見られなくなっていったのではないでしょうか?

それが行きすぎれば人間をも人種・能力・年齢により価値を計る社会になる、同じ命が差別されるようになるとマイケル・サンデルは述べていました。そういったことに起因する痛ましい事件は日本でも起きています。

私たちは知らず知らずのうちに「心」「道徳」「善」「命」が絡むところにも価格をつけて生活している、その危険性というものも、しっかりと知らなければならない。

そう思いまして今回HPにておすすめの書籍として紹介させていただきました。

 

 

 

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